キャリアデザインのすすめ

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民泊新法の公布と今後の動向

訪日外国人の増加に伴い、注目を集め続ける民泊について、

民泊新法が交付されました。

この新法がどのようなものか、課題点も合わせて意見を述べたいと思います。

 

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☆日本にとっての民泊のメリットとデメリット

 

2020年の東京オリンピックを控え、数年前から日本は外国人観光客の集客に力をいれてきました。結果、ここ3年で訪日外国人の数は激増しています。

それに対して、ホテルや旅館などの数がたりず、十分な宿泊施設が供給できない状態がおこっています。

国内を出張するビジネスマンはすでにご理解なさっている通り、5-6年前とくらべてビジネスホテルの宿泊予約は非常にとりにくくなり、価格も2倍以上に高騰しました。

 

同時期にAirbnbなどの民泊仲介業者の参入により、この慢性的な宿泊施設不足がかなり解消されました。

これは、素直に民泊が日本の観光現状にあたえたメリットといえます。

2020年のオリンピックに向けて、まだまだ適切な宿泊施設が必要とされており、民泊はその大きな需要に応えうるポテンシャルを秘めています。

 

日本社会における民泊のデメリットは、一部のホスト(民泊運営者)がずさんな管理を続け、騒音やゴミの問題を放置し、周辺住民に迷惑をかけたり、収入申告も行わないなどの違法行為を行っている事実です。

特に東京都内は外国人が物件を同国人に貸し出してトラブルとなるケースが多数顕在化しました。

こういったタイプの外国人は、ダメもとでとにかく強引に運営集客し、まずい状況になればまた別の場所へ移る、夜逃げする、ということを繰り返しているようです。

Airbnbのアカウントをみていると、おそらくこのタイプだろうなぁ、と推測できるホストもいます。

こういったホスト(民泊運営者)は当然、取り締まられるべきです。

 

しかし、地道に合法の民泊運営をしている真面目な日本人ホストが大多数を占めることも知っていただきたいです。

 

☆民泊新法

 

悪質な民泊運営が多数のトラブルを起こしたことで、世論がずいぶんと動きました。オリンピックを控えた事情もあり、日本は世界でも異例の民泊新法を公布することになりました。

 

新法は2018年6月16日から適用されます。

3月15日から随時申請受付とのことですが、その事前準備はやや遅れているようですね。

混乱が落ち着いて実働するのは年末から2019年初くらいになるのかな、という印象です。

 

民泊新法については、国が定めた『住宅宿泊事業法』をベースに、

自治体が定める『民泊条例』を順守する必要がでてきます。

一部の内容を見てみましょう。

 

『住宅宿泊事業法』

  • ・年間の宿泊は180日以内。
  • ・家主不在型の民泊は、管理業者への委託が必要。
  • ・消防法令適合通知交付義務付。必要な設備をそろえる事。
  • ・届出住宅の標識提示。
  • ・宿泊名簿の備え付け。
  • ・チェックイン時にパスポートなどの身分証明書を確認。
  • ・周辺住民からの苦情等への対応。
  • ・ごみ処理に関する規定の順守。

 

この基準に加えて、各自治体が追加の条例を成立させています。

例えば文教地区(学校や教育施設がある区域)での禁止や、平日営業の禁止などがあります。

 

☆私の民泊運営現状

 

私は東京都内で民泊運営しています。

 

貿易業で取引先が毎月のように来日しますが、約3年前から適正価格のビジネスホテルがほとんど予約できないため、1室運営を始めました。

 

もちろん、部屋のオーナーにも転貸の許可をとり、清掃も業務委託、加えて毎月1回私自身が細部まで清掃、事前にパスポートのコピーをもらい、短期賃貸契約書にサインまでもらっています。

 

当然すべての収支を申告していますので、何もやましいところはありません。

騒音やゴミのクレームが出たこともありません。

かなり高級な食器類や備品もおいていますが、破損も汚損も盗難も全くありません。

 

外国人との取引が長いため、メールのやりとりの時点で「あ、このゲストは騒音問題起こしそうだな」「うーん、備品を持って帰りそうだな」「嘘をついているな」といった微妙なニュアンスがわかります。

こういった場合は宿泊申請を断り、リスク回避しています。

 

実のところ儲けはありません。100%稼働すれば月3-4万円のプラスとなりますが、実際は若干赤字です。

都内で家賃が高いことや、リスクを感じる予約は断ってしまうので、仕方がありません。

そもそもは取引先を泊める目的でしたからこの物件はそれでよしとしています。

が、ノウハウも蓄積できたので、できればあと2-3室運営したいと考えていました。

 

☆新法が現実的かどうか

 

新法のセミナーにいくつか出て、その内容を行政書士や不動産業者から解説してもらい、自分でも調べました。

結論としては、おそらく私のようにまじめに取り組んできたホストのほとんどが撤退せざるを得ないだろうと感じています。

まるで、違法運営で迷惑をかけて問題となったホスト排除だけが基準になっているようで、

オリンピックに向けての宿泊施設確保や、空き家問題解消、空室率改善の対策といった、日本経済のメリットとなる課題はほとんど無視されています。

 

私も、近隣住民に迷惑をかけて脱税をしている悪質ホストは取り締まるべき、排除すべきだと考えています。

が、今回の新法一律はおそらくオリンピック需要を支えてくれるであろうまともな日本人ホストを一掃することになります。というのも、個人レベルで対応できないような要求が多すぎるからです。

 

セミナーに出て、まじめにやろうとしているホストたちを排除して、結果ブラックで稼ぐ悪質ホストが残るんだろうなという気がしてなりません。

 

Airbnbジャパンに登録していれば、日本語でホストの情報を確認できますし、違法であればアカウント凍結ができます。

 

しかし、外国人が自国のネット予約システムをつかい、母国語でゲスト&ホストがやり取りしていれば、日本の行政側は何も証拠がつかめないですし取り締まることができません。

クレームがでたり、バレそうになれば、彼らは一夜のうちに別の部屋へ移動してしまいます。

 

もっと実際の運営者や関係者からしっかりヒアリングをして、現実的な法律・条例を設定すべきだったと思います。

 

 

☆東京都と地方との取り組みの違い

 

東京都の自治体が的外れな条例を定めつつあるのに対し、和歌山県や奈良県はインバウンド事業を一つのチャンスとしてみなし、民泊歓迎の基本方針のもと、なかなか良い取り組みを実施していると思います。

 

和歌山県は関西空港を利用する訪日外国人を取り入れるポテンシャルがありますし、奈良県は京都以上に古都としての観光資源がたっぷりあります。

この2県の観光政策を支持します。

 

☆まとめ

 

おそらく、私は東京都内での民泊を新法施行時期に辞めると思います。

そして、時間的余裕があればぜひ奈良県で合法民泊を運営してみたいと考えています。

海外ゲストとやり取りをしてきたノウハウと、トラブルを回避するためのテクニックは場所を変えても問題なく活用できますし、地元の方たちと協調して体験型のサービスを提供することでインバウンド事業を支えることもできるのではないか、と感じています。

純粋に、日本の文化やテクノロジー、合理性を高く評価してくれる海外ゲストにもっと深い体験をしてもらい喜んでもらいたいという気持ちが強くなってきました。

 

2018年もやることはたくさんあります。

楽しそうな一年の幕開け。

健康に気を付けて頑張りたいと思います。