書評:『偽装通貨』 相場英雄著 情弱は損をする?!

書評

こんにちは、Amyです。

ブログご訪問ありがとうございます。

あふれる情報のなかから良質なものをピックアップする能力をみがけば、それだけで経済的にも大きなメリットが得られますね。

今回は国家通貨以外の、通貨同等の存在についてかかれた相場氏の『偽装通貨』書評です。

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相場英雄氏はジャーナリスト出身の作家

相場英雄氏は1967年新潟生まれ。時事通信社の経済担当ジャーナリストを経て2006年から作家活動を本格化。ジャーナリストの取材力が存分に活かされた著作が多く、エピソードや事件は現実味かなりおびておりノンフィクションに近い印象をうける。

私自身、しらない分野の本を読むとかなり勉強になるので今まとめ読みをしているところです。

 『偽装通貨』のテーマ

2008年の著作で、ポイントが通貨と同じ価値を持ち始めたころのお話しです。

2018年現在は仮想通貨が大きな話題となっていますが、その10年以上前にポイントという形で流通し始めた代用貨幣ともいうべき存在に着目した点、すごいなと高く評価します。

お店でハンコを押してもらうだけだったポイントサービスは、電子マネーの登場と加盟店同士の統合・互換性の高まりで全く違う価値を持つようになりました。また、たまったポイントを1ポイント1円の価値で使えるだけではなく、ハピタスのようなポイントサイト(この本ではポイチェンという架空サイトが出てきます)では、たまったポイントを銀行口座へ現金として振り込んでもらえます。本当に現金と同じ価値を持つようになっているんですね。

私もネットショッピングの際はハピタスを経由してポイントをため、数ヶ月に1回ポイント分の現金を銀行振込しています。

すでに数万円の換金実績があります。

ご興味のある方は下記からどうぞ。

hapitas.jp 

相場英雄氏の着眼点

仮想通貨が騒がれ始めたのはここ2~3年。

仮想通貨ビジネスで億単位の儲けを出した「億り人」や、仮想通貨の不正流出による損害、交換所の不具合による不当取引。数ヶ月ごとに仮想通貨関連の話題がニュースをにぎわせています。

私は仮想通貨は出遅れてしまい、保持・投資しておりません。

投資関連のニュースを独自のスタイルで収集していますが、2013年のメモには明らかに「ビットコイン 要検討」と書いてありました。この時点できちんと調査・検討・買い付けをしていればかなりの利益を得たでしょう。ダメな私です・・・。

せっかく情報があってもきちんと行動しなければいけないという典型的な例ですね。残念。

話がそれました。

この『偽装通貨』にはまだ仮想通貨(ビットコインやリップル)は出てきませんが、電子マネーに付随したポイントを利用して海外へ金銭を動かすという類似した役割をはたす部分にフォーカスしています。

一昔前は香港のプライベートバンクで口座をつくり、マル優などの証券や、持ち出し額制限のないトラベラーズチェックを利用して日本円を海外へ移す方法がありました。

脱税やマネーロンダリング、テロ資金を動かすために今は仮想通貨が使われる例が増えています。ブロックチェーンを応用したシステムは今後も出てくるでしょうから取り締まりは実質不可能なのではないでしょうか。

経済の観点からの新通貨、代用通貨の話題、そしてそれを活用する様々な人種の思惑、穴だらけの法整備を必死で埋めようとする官僚、面白い要素がたくさん詰め込まれた小説でした。

こんなに早い時期に電子マネーとポイント制度について調査・著述した相場氏の着眼点は素晴らしいと思いました。

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 『偽装通貨』感想

非常に魅力的な登場人物が多く、人間ドラマも丁寧に描かれており楽しめました。

特に主人公の椎名薫はあまりいないタイプでとてもリアルです。相場氏の人物描写は毎回、おそらくモデルがいるのかな~、と思わせるリアリティがあります。

椎名、香子、城所、富田、みのり、などなど素敵な人たちがそろっています。

準主人公というべきキャスター志望の倫子は今一つ好きになれませんでした。いや、さすがに勉強不足だろうとか、アホすぎる…と呆れてしまうシーンがいくつかありました。

ダージリンって呼ばれているのはどういう経緯なんでしょうね。

4つの章に区切られており、3章めまではよいリズムで読めました。

椎名側と、キャスター倫子側のストーリーが交互に語られ、次第に二つが近づいていくというスタイル。

第4章は2つが融合して話が進むのですが、無駄に区切られている部分が多かったです。記事やレポートなら良いのかもしれませんが、小説としてなら緊迫感や臨場感をそのままキープするためにも一気に小章区切りなしにしてもよかったのではないかと感じます。

誤植が複数あった点も気になりました。出版社の担当さんがもっとちゃんとチェックすればいいのに…。

相場氏の小説は、ある1点の話題にフォーカスしていてブレがなく、たいへん丁寧な取材と下調べで文章を書いています。知らない分野についてはとても勉強になります。登場人物が魅力的なおかげでただのニュース記事やビジネス書を読んでいるような味気無さもなく、楽しく読むことができる点も高評価です。

次は『共震』の書評を書く予定です。

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